世界を巡る旅 01 Matera,Italia
世界を巡る旅 01 Matera,Italia
私たちは、建築設計の勉強のために世界を巡る旅をしています。これまでに私たちが巡った旅をコラムで紹介していきたいと思います。初回は、2019年5月に南イタリアを巡った旅を紹介いたします。
マテーラは、イタリア南部に位置する町で渓谷の斜面の岩肌を掘って造られたサッシ(サッシとは岩を意味するイタリア語サッソの複数形)と呼ばれる洞窟住居えが約3000から4000あり、何層にも重なって渓谷を埋め尽くす壮観な景色が広がります。このマテーラの歴史は古く、この地に人類が住み着いたのは約7000年前と言われています。
マテーラは第二次大戦前後には行政により、貧しく不衛生な土地として移住させられ、人々はこの傾斜地のサッシから上の平坦な部分へ市街を造り移住するようになりました。
人の住まなくなったサッシは廃墟と化し捨て去られていましたが、1970年代になるとようやく都市再生の動きも生まれるようになってきました。独自の遺構として注目されるようになり、1993年世界遺産となったマテーラは徐々に町の再生の機運が高まり注目をあつめるようにもなりました。
マテーラには新石器時代以前から自然の洞窟に人間が住み暮らしていたが、 次第に自ずからの手で洞窟を掘り進み規模の大きい住居にしていったと言われています。
8世紀以降ギリシャから修道僧たちがイスラム教徒の迫害を逃れて、ここマテーラ の洞窟に隠れ住み多くの洞窟教会を建設した。トルコ、スペインにも洞窟住居があるが、マテーラの規模は世界一です。