建築のお話01 
土の採取
建築のお話01 土の採取

「代官山ローム層」は本物の土で作られた作品です。
作品制作にあたっては日本各地の土・砂を集め地層の表現を行いました。

ここは現在代官山T-siteがある場所ですが、かつて地面が掘り返されていた事をご存知でしょうか。
ここでは建替え工事に際し発掘調査を行っており、縄文時代の住居跡などを調査していました。
「代官山ローム層」では許可を頂きこの場所の土を採取し、階段の上から十数段に使用しました。写真の赤茶色の層がローム層です。

新しい地層表現の実現のために代官山を離れ、長野県佐久市にある採石場に向かいました。
この採石場ではコンクリートやアスファルトなどに使用する石材を採掘しています。この場所で採取された砕石が、私たちの住む家の基礎、道路や橋など様々な部分に活用されています。
地層を表現するにあたり、砂礫層の部分の素材をこの場所で採取しました。

実際に見る地層の迫力は息を飲みます。まさに地球の神秘です。
私たちが大地の上で生きているという事を実感させられます。
しかし同時に、この風景が我々の生活を便利にするために大地を切り裂いて作られたものであるということは深く考えさせられます。
(許可を得て敷地内に入り、撮影・採集させて頂いています。)

各地の作業現場の方々のご厚意のおかげもあり、色や形、土質の異なる多種多様な土・砂を採取することができました。
この場を借りて感謝いたします。